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【保存版】新NISAの仕組みをわかりやすく:制度変更・投資枠の使い方・“売却で枠が復活”をやさしく整理

2025年10月6日

はじめに:新NISAが「難しい」と感じるのは当たり前

2024年から始まった「新NISA(ニーサ)」、ニュースやSNSで聞くけど「つみたて枠?」「成長投資枠?」「年間360万円?」「生涯1800万円?」と、

聞けば聞くほど混乱する──そんな人は少なくありません。

実は、新NISAは“より使いやすくなった制度”なのに、説明が複雑すぎるのです。

この記事では、旧NISAとの違いや投資枠の使い方、そしてよくある誤解「売却したら非課税枠はどうなるの?」まで、ひとつずつ丁寧に整理していきます。


本記事の結論
2枠併用で年間360万円/生涯1800万円、非課税は無期限
売っても同年は枠は戻らない。翌年以降に“元本相当”が復活(長期で仕切り直し可)
初心者はつみたて枠→余裕資金で成長枠が基本

それでは早速始めましょう。





そもそもNISAとは? ──「税金がかからない口座」のこと

NISAは「少額投資非課税制度」の略です。

通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。

例えば10万円の利益を出しても、実際に手元に残るのは約8万円です。

しかしNISA口座での運用なら、その税金が“ゼロ”。

つまり、利益をまるごと受け取れる仕組みなのです。これが「非課税」という言葉の意味です。


新NISAで何が変わったの?──旧制度との違いを整理

旧NISAには、次のような問題がありました。(表中の”旧NISA列”)

項目旧NISA(〜2023年)新NISA(2024年〜)
制度の種類一般NISA・つみたてNISAのどちらかしか選べない2つの投資枠を「併用」できる
年間投資額一般120万円/つみたて40万円  😥最大360万円(つみたて120万+成長240万) 😍
生涯投資枠-                😥合計1800万円まで非課税で保有可能     😍
非課税期間5年または20年         😥無期限(ずっと非課税)          😍
売却後の枠復活しない           😥売却した分の枠が再び使える        😍

つまり、新NISAは「より大きな投資限度額、より長期的に使える制度に」へ進化したのです。


ポイント① 「2つの投資枠」を同時に使える!

新NISAの最大の特徴は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を両方使えること。

つみたて投資枠(年120万円):長期・分散・低コストの投資信託などに限定。毎月コツコツ“自動積立”で増やす、土台づくり用の枠
成長投資枠(年240万円):個別株など選択肢が広い“攻め”の枠。値動きは大きめだが、リターンも狙える。余裕資金で少額からが安心。

旧NISAは「一般」か「つみたて」のどちらか一方しか選べませんでしたが、新NISAでは併用OK

まずは“守りのつみたて”、慣れてきたら“攻めの成長枠”を足す――この使い分けがしやすくなりました。


ポイント② 「無期限の非課税」で長期運用がしやすくなった

旧NISAでは、「一般NISAは5年」「つみたてNISAは20年」と期限が決まっていました。

そのため、期限が来るたびに「売るか、課税口座へ移すか」の判断が必要でした。

新NISAではこれが完全撤廃

一度NISA口座で買った資産は、何年でも非課税のまま保有可能です。

これはつまり──

“老後までずっと非課税で育てられる”

という、長期投資にとって非常に大きなメリットです。


「年間360万円」「生涯1800万円」──この意味を整理!

年間360万円の上限

1年間で非課税で投資できる金額の上限が「360万円」です。

内訳は次の通り:

  • つみたて投資枠:120万円まで
  • 成長投資枠:240万円まで (※両方を使わなくてもOK。使う配分は自由)

生涯1800万円の上限

投資の合計が1800万円に達するまで、非課税で運用できます。

ただしその中で、成長投資枠は最大1200万円までという制限があります。

枠の種類年間上限生涯上限
つみたて投資枠120万円1800万円(全体の中で自由)
成長投資枠240万円1200万円まで
合計最大360万円/年最大1800万円




どの枠から使えばいい?(迷ったらこの順番)

結論から言うと──

まずは「つみたて投資枠」から始めるのが基本。

理由はシンプルです。

1.  つみたて枠は「長期・分散・低コスト」の王道投資
2. 金融庁が認めた投資信託だけが対象で、初心者にも安心
3. 1度設定すれば自動で運用できる(放置でOK)

慣れてきたら、余裕資金で「成長投資枠」を使いましょう。

こちらは株式など値動きが大きく、リターンもリスクも大きい分、学びながら活用するのがおすすめです。


「売却したら非課税枠は復活する」ってどういう意味?

ここがもっとも多くの人が混乱するポイントです。

旧NISAでは、一度枠を使うと「売っても枠は戻らない」仕組みでした。 新NISAでは、これが大きく改善されています。

状況旧NISA新NISA
2024年に100万円投資枠100万円使用枠100万円使用
翌年に売却枠は戻らない売却分100万円が復活!
再投資不可また投資できる!

つまり、新NISAでは生涯1800万円という枠が設定されているので、売れば、その1800万円の枠の中で再利用できるのです。

これは長期投資において大きなメリットであり、「失敗してもやり直せる」制度設計になっています。

注意点 ── 売ってすぐに枠が戻るわけではない
ただし、枠が戻るのは「翌年以降」です。 同じ年のうちに売っても、その年の非課税枠がすぐ増えるわけではありません。

例えば:

 2024年に100万円投資 → その年の枠は360万円中100万円消費

 2024年中に売却 → 枠は翌年2025年に復活

  • この点を理解していないと、「あれ、買えない…」と混乱する原因になります。


投資初心者が意識すべき「リスクと生活資金のバランス」

次に「どのくらい投資に回すべきか」についても整理しておきましょう。

新NISAは非課税とはいえ、元本保証ではありません。

値下がりすることもあります。

そこで大切なのが、次の3ステップです。

ステップ1:生活防衛資金を確保

生活費の3〜6か月分は現金で残しておく。

これが“安心して投資できる土台”になります。

ステップ2:余裕資金でつみたて投資枠を利用

最初は月1万円〜3万円からでもOK。

長期で積み立てることで、時間分散の効果が働きます。

ステップ3:学びながら成長投資枠を活用

株式やETFなど、少額で試してみて仕組みを理解する。

少しずつ自分の“投資スタイル”を確立していくことが大切です。

ケース別ミニ例(数字はあくまで“イメージ用”)

長期の平均利回りの考え方を示すためのです。

ケースA:月3万円で“まず習慣化”

  • つみたて枠で年36万円。20年で元本は720万円。
  • 長期で年3〜5%を仮に期待レンジとすると、概算の評価額目安は約970万〜1,180万円。
  • コツ:増えない時期も“安く多く買える期間”と捉え、設定をいじらない。

ケースB:つみたて+成長投資枠100万円

  • つみたて枠は自動運転、年100万円を成長枠で。
  • ルール例:年1回のリバランス、損切り/利確のマイルールは先に文字で。
  • 失敗しても、翌年以降に枠復活でやり直し可。

ケースC:50代・値動きは控えめに

  • 無期限を活かして、価格変動の緩い商品比率を上げる。
  • 成長枠は“少額で学ぶ”レベルにとどめ、現金クッションを厚め(生活費12か月分など)。


よくある質問(最短でモヤっと解消)

Q1. 同じ年に売ったら、非課税枠は戻りますか?
A. 戻りません。翌年の元日以降に元本相当額が再び使えます。

Q2. 年間360万円と生涯1,800万円、どっちが大事?
A. どちらも大事ですが、役割が違います。年間は「今年の投資可能量」、生涯は「非課税で保有できる総量」です。

Q3. 初心者はどちらの枠から?
A. つみたて投資枠から。自動積立・長期・分散・低コストで「続けやすさ」が段違いです。

Q4. 成長投資枠ってリスク高い?
A. 値動きは大きめです。少額で慣れてから、**“自分のペース”**で広げましょう。

Q5. 家族全員で口座は作れる?
A. それぞれ条件を満たせば、一人一口座で作れます(金融機関は年単位で変更可能)。

まとめ── 「新NISA」は“長く使える・やり直せる”制度に進化した

✅ 制度のポイントは3つです。

2つの枠(つみたて+成長)を自由に使える
非課税期間が無期限になった
売却すれば枠が復活する

この3点を押さえるだけで、新NISAの仕組みはほぼ理解できます。

そして何より大切なのは、焦らず少額から始めること。

投資は「時間」が最大の味方です。

仕組みを理解し、自分のペースで長く続けていくことで、

新NISAはあなたの将来資産を支える強力な味方になります。





補足:本記事は下記のリンクを参考にしています。

金融庁:NISAを知る(制度の要点・図解)
金融庁:資料コーナー(スライド/ガイドブック/FAQ)
金融庁:NISAを利用する皆さまへ(2024制度説明スライド)
SBI証券:新NISAの上限額・限度額まとめ(新旧比較・360万/1,800万/1,200万の整理
SBI証券:当年内は枠が増えない注意喚起(売却と枠復活の実務的注意)

もし、次のステップに興味がありましたら下記が参考になります。

・さらに理解を深めたい方:インデックス投資とは?初心者に最適な理由と注意点 記事をチェック!
・既に口座を持っている方:つみたて枠から月1万円でも始めてみよう!
・まだ、口座を開設していない方:まずは金融庁認定の証券会社で「NISA口座開設」

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