昨今、株式投資を始める方が増えてきました。
そんな投資初心者の方の中には、「大きな失敗なく始めたい」と考えている人も多いと思います。
そこで今回は、
「初心者が知っておくべきことは?」
「株式投資初心者におすすめの本が知りたい」
という質問に回答していきます。
本記事を読むことで、投資詐欺に引っかかったり、大きな損失を被ることがなくなり、堅実な株式投資方法を学ぶ読者の助けになれれば幸いです。
目次
株式投資の初心者が知るべき最重要事項は、現実的な投資リターンと初心者がよくやる失敗です。
この2つを理解しておくことで致命的な失敗を防ぐことができ、かつ平均以上のリターンを目指すことができます。
株式投資の素晴らしい効果
株式投資の現実的なリターン
まず初めに株式投資の現実的なリターンを理解しておきましょう。
以下のグラフは、過去200年に株、債券、金(gold)、現金に投資した場合のリターン総額を示しています。
株に投資した場合は200年間で1ドルが599,605ドルになります。
年率平均リターンに直すと6.9%です。
したがって過去の実績からみると年間約7%のリターンが期待できることになります。
これが平均的な株式投資の現実的なリターンです。
よって「年率20%保証」とか「月利10%保証」とかをうたう人が近づいてきたらそれは詐欺だと見抜ぬけるでしょう。
一方で日本の定期預金の0.1%は、年利約7%に比べると低いと感じるはずです。
なので初心者の人は、株式投資の平均的リターンである約7%を長期的な目標とするとよいでしょう。
ちなみに、グラフからわかるとおり、現金のまま保有していると1ドルは0.1ドル以下の価値まで下落します。
これはインフレが起こり、現金の価値が目減りするからですね。いかに株式投資が長期の資産形成で有用かわかると思います。
インデックス投資信託のリターンはコスパ最強
「自分は個別株の銘柄選定は向いてないかもしれない」そんな方も心配ご無用です。
そういう方は、個別企業の分析が不要なインデックス投資信託を購入していけば、ほとんど手間をかけなくても年間5~8%の利回りは狙えます(個別株の勉強方法はあとで解説します)。
インデックス投資信託であるIVV, VT, VTIなどは株の銘柄が数百以上からなるパッケージであり、個別企業の倒産リスクは0と見なせます。
数百社のうちの1社が潰れてもほとんど影響がないからです。
(厳密には潰れる前に自動で他の有望な企業に入れ替わります。)
インデックス投資は非常にシンプルであり、その気になれば1時間ぐらいで修得できます。
たった1時間勉強するだけで、毎年5~8%の利回りが期待できるので最もコスパがよい投資方法といえるでしょう。
(インデックス投資について詳しく知りたい方は別記事参照)
株式投資の初心者がやりがちな失敗
続いて初心者がやりがちな失敗を把握しておきましょう。
むやみに損切りする
株式投資についてよく言われるのが「早めに損切りしましょう」という点です。
一理ありますが、私はこのアドバイスには否定的です。
なぜなら、不合理な株価の動きにお付き合いするはめになるからです。
個別株に関しては、投資するに至った根拠と理由を今一度確認して、それが崩れていなければ、例え暴落しても持ち続ける勇気が必要です。
(ただし、投資先企業の「競合優位性が崩れた」など根拠が崩れた場合は売却を検討しましょう)
株価の短期的な値動きに一喜一憂せずに取り組むことが重要です。
ちなみにインデックス投資信託に関しては、損切りする必要はありません。
先ほど説明したとおり、株のパッケージであり、個別の銘柄倒産リスクは0だからです。
むしろ、事前に決めたポートフォリオを維持する比率まで買い増しましょう。
(逆に株価が高騰した場合は、むやみに買い増してはいけません)
チャートだけから投資判断を行う
初心者の人によくお伝えするのですが、株価の値動きを示すチャートだけで投資判断をしてはいけません。
ゼロサムゲームに巻き込まれ、損失を出す可能性が高いからです。
例えば株価チャートだけから行うデイトレードのような手法は、1万円誰かが得すれば、1万円誰かが損をしているゼロサムゲームです。
これはパイの奪い合いであり、期待値は0の行為なので長期的に資産が増えていく可能性は低いです。
一方で、長期的な企業利益・ブランドに着目するファンダメンタル投資はプラスサムゲームになります(個別株)。
投資した企業が長期的に稼いでいけば、配当金や内部留保に伴う株価上昇で、株主に利益をもたらすからです。
ファンダメンタル投資は正しく行えば、プラスサムゲームにすることができるのです。これは増えたパイをみんなで分け合うイメージといえます。
むやみに信用取引を行う
初心者が信用取引をすることはおすすめしません。
最悪の場合は、借金になる損失を出すこともありえます。
レバレッジ3.3倍相当の信用取引を行った場合、価格が3割減少しただけで強制的に決済されて資産は0となります。
不当な株価の変動に付き合わなくてはいけなくなるのです。
もし、信用取引を行うとしたら投資先の企業分析だけではなく、人間の心理も読む必要が出てくることを肝に銘じましょう。
信用取引を行わなくても株式投資で長期的な利益を出していくことは可能なので初心者にはあくまでも現物取引をおすすめします。
株式投資の初心者におすすめの本
今説明した内容を一通り学べる良書をご紹介します。
マネーと常識 ~ジョンボーグル
なぜインデックス投資が多くの初心者にとって最適なのかを理解できる良書です。
「低コストのファンドにこだわる重要性」「個別銘柄を選ばないという戦略の素晴らしさ」について 網羅的に書かれています。
この本に書かれている内容を長期にわたって実践すれば、平均以上のリターンを得られることは間違いありません。
世界一の投資家ウォーレンバフェットも推薦している本です。
10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 ~遠藤洋~
インデックス投資以上の成績を目指すなら個別株へ投資することが必須です。
ただし、個別株に投資する場合、その企業をよく分析する必要があります。
「企業分析」というと難しく感じてしまいますが、株に対して全くの素人でも その分析法をわかりやすく書かれているのが本書です。
中長期で企業価値が上がりやすい企業の選び方などを学ぶことができます。
著者自身も最初は素人から始めて資産1億円以上を達成するまでの経緯がまるで成長物語としても楽しめます。
尚、個別株投資の勉強方法を詳細に知りたい方は他記事も参考にしてみてください。
ウォーレンバフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ ~グレンアーノルド~
無名の投資家から世界一の投資家に至るまでの軌跡とバフェットの投資哲学を学べます。
「ミスターマーケット(株価の不合理な変動を指す)との付き合い方」
「企業分析し、安全マージンを保ち、満足なリターンを目指すことの重要性」などの一貫したエッセンスを22の投資事例を交えて理解できます。
一方で、ウォーレンバフェットが決してお金だけを求めているわけではない謙虚な人格者であることも理解できるでしょう。
あくまでも、お金は人生を豊かにするためのツールに過ぎないと気づかせてくれる良書です。
まとめ
株式投資の効果や初心者がやりがちな失敗、おすすめの本をご紹介しました。
これらの内容や本に書かれている内容を実践すれば、致命的な失敗を避けながら、中長期で資産を形成するための助けとなります。
是非、参考にしてもらえると幸いです。