不動産投資

区分マンションとは?【私の実体験からメリット・デメリットを解説】

2021年3月15日

「区分マンションって何?」

「区分マンション投資のメリット・デメリットは?」

そんな疑問をお持ちの方に私の投資実体験を交えて解説します。





申し遅れましたが、私は2020年に会社員を退職して専業となった個人投資家です。

現在は、不動産賃貸業と株式投資の運用益で暮らしています。

不動産賃貸業に関しては、2棟のアパートと1つの区分マンションを運営しており、区分マンションに関しては、売却した物件を含めると2つの運営経験があります。

メガ大家さんとかに比べるとずいぶん規模が小さいですが、そんな小ぶりレベルの私が感じた区分マンション投資の利点をお伝えしたいと思います。


区分マンションとは

区分マンションとは、マンションの建物全体ではなく、区分された一部屋(or数部屋からなる一世帯単位)を指します。

従って区分マンションを買うということは、一棟マンションのうちの一世帯分を買うという意味になります。

これと近い意味で分譲マンションという言葉が使われますが、どちらも区分された一世帯分という意味なので本質的には同じです。

慣習的に分譲マンションは消費者目線の言葉に対して、区分マンションは投資家目線の言葉として使われます。


区分マンション投資のメリット【実体験】

続いて区分マンション投資のメリットを見ていきましょう。


少ない自己資金から取り組み可能

区分マンション投資に必要な自己資金は一棟物件に比べて少なくて済みます。

単純に物件価格が低いからです。

一棟アパートや一棟マンション一棟だと、安くても2000~4000万円程度の物件価格帯が多いですが、区分マンションだと安いもので言えば、数百万円のものも多くあります。

物件購入に必要な自己資金はおよそ物件価格の2-3割をみておけばよいので、例えば700万円の区分マンションであれば、約140-210万円の自己資金を用意しておけば取り組み可能です。

(内訳は、借入の頭金に1割、購入諸費用に1割/実際の融資条件は購入者の属性(年収など)も大きく影響してきます)

ちなみに私の場合は、埼玉県のファミリー向け中古区分マンションを購入した経験が2回ありますが、700万円の物件のときは自己資金159万円、854万円の物件のときは自己資金191万円で済みました(物件価格に対して23%程度)。

区分マンション投資は、資金が少なくても始めやすいのが特徴です。


   

失敗したときのダメージが少ない

一つ目のメリットと繋がりますが、区分マンションは物件価格が低いので、万が一失敗したときでも損失額は少なくて済みます。

購入した物件の価値が0になり、家賃収入が全く得られないという最悪の状況でも基本的に物件価格以上の損失がでることはありません(土地値もある中で価値が0になって、かつ家賃収入も0などの例は私の周りでは聞いたことがありませんが)。

よって、区分マンション投資で失敗したとしても、損失額は数百万円で抑えられます。

平均的なサラリーマンの生涯年収が2~3億円であることを考えるといくらでも挽回できるのではないでしょうか。

ただ1点、気をつけてほしいのが「新築ワンルームマンション投資」です。これに投資するのは絶対に止めましょう。

特に都内の新築ワンルームマンション投資は危険です。

1000万円の価値しかないものを平気で2500万円で売ってきたり、月の収支が赤字になるものを売ってきたりするので注意してください。

「月の収支は赤字でも節税になります!」とか「将来受け取れる”年金”の積み立てです!」とかに騙されないようにしてください。

この世にはいくらでも収支が黒字になる物件がありますから。


実需層向けの売却を狙える

実は隠れた区分マンション投資のメリットとして、あるやり方をすれば売却益を狙いやすい特徴があります。

それは既に入居者がいる物件をオーナーチェンジで購入して、入居者が退去したらリフォームして一般向けに販売するというやり方です。

これは、一棟物件では手間や収支の問題で基本的にできません。

「安い投資家価格」で買って、「高い実需層価格」で売ると売却益を出しやすいのです。

オーナーチェンジの物件は収支計算に厳しい投資家向けなので、一般的に安い価格で購入できます。(想像できると思いますが、既に入居者がいる物件は、一般の方は買いません。)

この安く買った物件を入居者が退去したら、コスパのよいリフォームを施して、一般向けに販売すると利益が出しやすいです。

この方法だと5割増しで売れるなんてこともよくあります(ただし、入居者がいつ退去してくれるかはわかりません)。

ちなみにこの戦略をビジネスモデルとして行っている上場会社にスターマイカという会社があります。

いかに優れてる戦略かわかりますね。

このようにやり方次第で売却益も狙えるところが区分マンション投資の醍醐味です。

私が購入した物件のひとつもオーナーチェンジ物件ですが、「物件購入価格+リフォーム費」に対して売却見込価格は3~5割増しで売れる予想をしています。

(過去の同じマンション内の販売事例から算出)

※実際に売れたかどうかの結果が出たら、当ブログでまた報告したいと思います。


区分マンション投資のデメリット【実体験】

一方でデメリットも見ていきましょう。


事業規模を拡大していくには効率が悪い

区分マンション投資は一棟物件に比べて一戸あたりのかかる手間は大きくなります。

例えば、不動産売買において「収支計算⇒物件調査⇒交渉⇒購入申込⇒融資手続き⇒契約⇒決済」の流れになりますが、一棟アパートでも区分マンション1戸でも基本的にこの手間はあまり変わりません。

なので区分マンションだと相対的に1戸あたりの手間が大きくなります。

区分マンション投資だけで不動産投資を拡大していくことを考えているとしたら、どこかで限界がくるでしょう。

また、区分マンションであれば自主管理でない限り、1戸1戸にクレーム対応・集金業務代行の管理会社を選定する必要がありますので購入してからの運営の手間も大きくなりがちです。

(一棟物件であれば8戸とか12戸一括で管理会社を選定できるのでコミュニケーションコストもその分、小さくできます)

私の場合も区分マンション投資を2物件ほど買った後は、一棟アパート取得の戦略に切り替えました。


銀行評価があまりよくない

不動産投資を行っていく上では融資利用が肝心なのですが、区分マンションの銀行評価はあまりよくありません。

銀行では評価方法の1つとして「物件の担保価値を評価する積算評価」という評価方法が用いられますが、区分マンションではこの積算評価が弱いとみられがちです。

というのは、一般的に物件の積算評価は「土地+建物」価格で評価されますが、区分マンションの土地は、他の所有者との共有であり、切り売りすることもできないので、実際の持ち分よりも低く評価されてしまうのです。

よって担保価値が購入価格に対して大きく足りないということになりがちです。

その分、購入する方の年収が高いとか、他に資産を有しているとかであれば、カバーできますが、担保価値が低いことは頭にいれておきましょう。

また、銀行が評価するあなたの属性は、今まで購入してきた物件の価値も含みますので、区分マンションが多過ぎることであなたの資産全体の担保価値が減少し、これ以上、融資を利用できないということも起こりますので注意してください。

実際、私の知り合いにも、担保価値が低い区分マンションを多く買い過ぎた結果、現状よりも現金を多く貯めるか、区分マンションをいくつか売却しないと、それ以上の融資を利用できなくなった方がいます。


リフォームの自由度は高くない

区分マンションでは、マンションの管理組合が存在し、大規模なリフォームを行う場合は管理組合の許可が必要になります。

リフォームは何でも自由に出来るわけではないので注意しましょう。

ただ、騒音を伴うリフォームであったとしても、管理組合の許可が得られれば、キッチンやユニットバスの交換、フローリングの張替えも問題なくできます。  

内装工事は申請してから、通常は2~4週間程度で許可が下ります。

尚、内装はある程度自由にできますが、建物外装は自由にはできません。

当然ながら管理組合の長期修繕計画に従う必要があります。

また、一棟物件であれば、建物が古くなった際に更地にすることもできますが、区分マンションでは原則的にできません。


まとめ

区分マンション投資のメリット・デメリットをご紹介しました。

区分マンション投資は一棟物件に比べて金額少ない分、初心者に方にも始めやすい投資方法かと思います。

「今は自己資金が少ないけど不動産投資の勉強と実践を始めたい!」という方にはかなり良い投資法といえるでしょう。

ただし、「新築ワンルームマンション投資」は絶対NGです。これだけには気をつけましょう。

次回のブログ記事では、実際の私の区分マンション投資の収支を公開したいと思います。

併せて参考にしてもらえたら幸いです。


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