バリュー株について、投資歴10年以上の私が簡潔に回答します。
1.バリュー株とグロース株のちがい
簡潔に書くと下記です。
財務数値に対して割安な株のこと。
判断指標はPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)が使われる場合が多い。
古典投資学的に、PBRやPERが一定基準よりも低い株をバリュー株(割安株)と言う。
財務数値的に割高だがこれから成長が見込まれる株のこと。
現在のPBRやPERは基準に比べて割高だが、売上や純利益が増加して企業価値増加が見込まれる株をグロース株と(成長株)言う。
この2つは、根っこの部分では繋がった概念ですが、投資を始めて間もないうちは2つに分けて捉えておくとよいでしょう。
その方が、投資概念を段階的に理解しやすくなります。
続いてバリュー株の探し方・注意点を解説します。
2.バリュー株の探し方
判断指標
純資産に対して何倍の値段がつけられているか判断する指標です。
企業が精算(解散)した場合に株主に戻ってくるお金の尺度となりますね。
単純に考えれば、PBRが1倍以下なら投資した金額の全てが解散時に返還される計算です。
ちなみに日経平均算出企業のPBR平均は1~1.4程度です。
1年の純利益に対して何倍の値段がつけられているか判断する指標です。
利益ベースから投資金額を何年で回収できるか判断する尺度となります。
PERが10倍なら、10年で利益から回収できる計算ですね。
日経平均算出企業のPER平均は15-30ぐらいです。
スクリーニング方法
証券会社ツール
SBI証券、楽天証券、マネックス証券の各ツールを使いスクリーニングするのが一般的です。
基本的にどの証券会社のツールでもPBR, PER含め他項目の数値を設定して検索できるので問題ありません。
ただ、個人的なおすすめはマネックス証券の銘柄スカウターです。
検索結果に表れる企業詳細を閲覧すると、10年分の財務数値と変化が一目でわかります。
また、PERやPBRの推移も見れるので、その企業の過去データから見て今が高いのか低いのか判断しやすいです。
銘柄スカウター:検索結果一覧(PER, PBR順位別に並べ替えも可)
気になる方は口座開設してみてください(マネックス証券)。
口座開設・ツール使用ともに無料です。
非証券会社ツール
証券口座に登録しないでもスクリーニングできるサイトもあります(結局、株式を購入する際に証券口座開設が必要になりますが。。)
例えば、株マップ.comやトレイダーズウェブがあります。
両サイトともにPBRやPERの数値を打ち込んで検索をかければ、条件に合った企業をきちんとピックアップできます。
個人的には株マップ.comの方が使いやすいですね。
検索結果にPER, PBRの数値が記載されていて、項目別に並び替えできるので見やすいです。
株マップ.com 検索結果
検索結果の各企業をクリックすれば、適宜開示情報等にも飛ぶことができます。
ただし、情報の網羅性では、証券会社のツールの方が勝ってますのでご注意を。
購入判断方法
バリュー投資の注意点
PBRやPERが低い株に投資すれば、利益を出せるかというとそれは別問題です。
例えば、有形固定資産比率が大きい鉄鋼業はPBRが低く評価される傾向があります。
一方で、無形資産資産割合が大きい通信業、サービスがPBRが大きい傾向にあります。
だとすれば、鉄鋼業の企業ばかりに投資すればよいのでしょうか。
実際はそうともいえません。
購入判断
あくまでも同じ業態や業種のPBRとPERと比べるようにしましょう。
必要な設備や販管費そして収益化の仕組みなどは業態、業種で大きく変わるからです。
スクリーニングで気になる企業をピックアップしたら、その企業の属する業界のPBR, PERの平均値を調べましょう。
競合他社も含め、複数社を念入りに調査し比較します。
その結果、ピックアップした企業のPBRがPERが低く、かつ売り上げ・純利益の継続性が見込まれるのであれば投資してもよいでしょう。
売却判断
基本はPBR, PERがその業界の平均値に戻ったら売却します。
或いは、自分が「この企業の場合はこのPBRやPERが妥当だ」といえる根拠のある概算値があれば、そこに戻った時点で売却してもよいです。
これがバリュー投資の古典的な考え方です。
※投資の神様バフェットはこれをシケモク投資と呼んでいます。
まとめ
バリュー株の意味や探し方、購入時の考え方を説明しました。
バリュー投資は投資手法のあくまで一概念であり、全てではありません。
長所と限界点を理解した上で取り組んでみてください。
投資に興味をもつきっかけになれば幸いです。